大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4956 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人高田利広の上告趣意第一点について。

原判決の第一審判決に対する判示に所論のような判断遺脱があつたとしても、原

審がした自判そのものには、論旨が第一審判決について指摘したような違法の点は

ないのであるから、これを破棄する理由とはならない。なお憲法三二条の法意は、

当裁判所の判例(昭和二三年(れ)五一二号同二四年三月二三日大法廷判決)に示

されているとおり、すべて国民は憲法又は法律に定められた裁判所においてのみ裁

判を受ける権利を有し裁判所以外の機関によつて裁判をされないことを保障する趣

旨であるから、所論違憲の主張は理由がない。

同第二点について。

原判決は判示第一(上告趣意書に「四」とあるのは「一」の誤記と認める。第四

の事実については自白の補強証拠としてA及びBの各供述調書の記載が挙示されて

いる)の事実につき、被告人の自白の外に、第一審第二回公判調書における証人C

の供述記載を証拠として挙げており、右は本人の自白を補強するに足るものである

から、所論違憲の主張はその前提を欠き、採用することができない。

被告人本人の上告趣意は量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年三月九日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!